木管楽器

フルート(第67回定期演奏会のプログラムより)

 フルートといえば,澄んだ音色,軽やかに時に甘くせつなく響く調べ―春の野の乙女のようなイメージをお持ちの方も多いのでは?しかるに奏者のその実態は,曲中酸欠,右耳難聴,背骨湾曲,ツバ垂れ流し等々まさに台風の中,堤防に立つアナウンサーの如し.こんなギャップに耐える面々をご紹介致します.♯四分音符二つの低音(H)のために借金して楽器を新調した経理のおぢ.♯土曜ごとに往復5時間かけて栃木から通う営業のおぢ.♯アルトフルートのみ自己所有,特殊楽器(イロモノ)専門のプーという名の研究員.♭職場が遠いと下館に転居するも練習場が遠いと勝田に帰ってきた人間以外の専門医.♭試験もバイトもなんのその,理解ある御両親の送迎付で元気に通団現役高校生.以上5人(平均年齢25歳)の熱演であなたのフルート観はどう変わる?乞う御期待!
【解説】
 現在,営業のおぢはシンガポール(だったかな?)へ出向し,現役高校生は進学につき退団.でも新たに3名を加え,ローテーションのやり繰りに苦労しています.ちなみにこのパートには「鐘」は付属していません.

オーボエ(第68回定期演奏会のプログラムより)

 オーケストラのチューニングの要といえば,オーボエと相場は決まっているようですが,それはオーボエが常に不動の音程を持つから…というのは真っ赤な嘘で,いつも揺れるピッチにオーケストラ全体をつきあわせているのが真相.その微妙な揺れに,またリードの調子にいつも神経質になっているのがオーボエ吹きなのですが,当団の奏者といったら5年物(作ってから5年のリードということ)がいいというK氏やらオーボエはパワーだというI氏,小心者にみえて本番に強いKさん,いまだ正体を明らかにしないSさんなど,いわば既成のオーボエパートを超越した人々といえるでしょう.本日はこの4人が繰り出す個性のぶつかり合い(時には調和)に乞うご期待!!
【解説】
 5年物や10年物を大切にされていたKおじさまは,仕事が忙しくなっていらっしゃれなくなりましたが,新たにM嬢を加え3姉妹(SMK)が結成されました.強力です,ハイ.

クラリネツト(第69回定期演奏会のプログラムより)
〜上手くいったら腕のせいで、失敗したらリードのせい〜

 クラリネットという楽器は、簡単なようで意外に奥行きが深い。楽器自体も、ドイツ系、フランス系、イギリス系と少しずつ違っており、マウスピース(吹き口)の所につけるリード(発音体)の形状・堅さに至っては、それこそ演奏者により千差万別である。このオーケストラでも、奏者各人の音色の趣向の違いにより、しぱしぱアンサンプルに支障をきたすこともある。それにもかかわらず、よくある話で、自分だけが正しいと誰もが思っている。そういう自己中心的なプレーヤーの集まりなので、タイトルのように、重要なソロの部分などで上手く吹けると、とたんに鼻息が荒くなるが、万が一失敗しても、U今日はちょっとリードが…Vと言ってごまかすテクニックは見事なもの。メンバーの顔触れも、某ミッション・スクールの教師、某女子高校の教師、某有名地方銀行員、OL、主婦、高校生とバラエティに富んでいる。
【解説】
 「このオーケストラでも、奏者各人の音色の趣向の違いにより、しぱしぱアンサンプルに支障をきたすこともある。」ことはよく自覚されているようです.この写真はそういうクラパートの中では比較的normalな方々で,ここに写っていない人が…実は曲者なんです. 

ファゴット(第71回定期演奏会のプログラムより)

 「私、オーケストラ入ってるんだ。」「ヘえ一、何やってるの?」「ファゴットだよ。」「…ファゴットって、どんなの?」「……」こんな会話をファゴット奏者なら何度も経験したことがあるだろう。余りにもこんなことが多いので、「知らないかもしれないけど」という接頭辞を覚えてしまうのだ。Fgパートは7人いて、7人7様の音色をもっています。だいたいFg奏者は変わり者(と思われている)で、本人たちは決してそうは思っていないのだが…茨響のFgはOL、高校教師、大学生などたくさんいておもしろいです。さてさて今回のプログラム、特に「悲槍」は、Fg奏者なら誰でも憧れる曲でありますが、極度の緊張と戦わなければならないわけで…ふう。始まりの何小節かは青ざめた私が見られることでしょう。ああ、もう、あんまり見ないでくださいね。とにかく、みんな頑張りますので、バズーカ砲だなんて思わないで聴いて下さい。
【解説】
 しばらく不毛の時代が続いたファゴットパートでしたが,ここ2年ほどで急速に勢力を拡大しました.平均年令は最も若いパートで,その分音楽もまだ若い.前列のおぢたちからケリやニラミの入る日々にじっと耐えつつ,花咲く日を待っているのでした.個人的には最も好きなパートです.

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